里親制度の課題と取り組み
里親の登録が少なかったり、子供を受け入れるのに適した里親がその地域にいないなどの理由で、里親家庭で生活するのが望ましい子供が施設で生活せざるを得ない場合があります。
また、里親制度が養子縁組制度と混同しているなど、制度がきちんと知られていないため、子供の親が里親家庭に子供を預けることをためらい、施設で生活させることを希望する場合が多々あります。
厚生労働省の「社会的養護の現状について(参考資料)」(平成23年7月)では、里親委託を進める上での課題と取り組みについて明記されれています。
里親委託を進める上での課題
■登録里親確保の問題
・里親制度の社会的認知度が低く、新規委託可能な登録里親が少ない。
・里親の希望する条件(性別、年齢、養子可能性など)と合わない。
・信頼関係の構築が難しく、児童相談所として信頼できる里親が限られる。
・里子の万一のトラブルや事故に遭遇したときの里親としての責任が心配で、登録申請に至らない等
■実親の同意の問題
・里親委託に対する実親の同意を得ることが難しい。
(施設なら同意するが、里親の場合同意しない。)等
■児童の問題の複雑化
・発達障害など児童が抱える問題が複雑化してきており、里親への委託が困難なケースが増えている等
■実地体制、実地方針の問題
・児童福祉司がが虐待対応業務におわれていることから、里親委託への業務に十分に関われていない。
・里親船員担当職員が配置されていないなど、里親を支援するための体制の整備が十分でない。
・未委託里親の状況や里親委託を検討出来る児童の情報など、県内全児相での情報共有が必要。
・職員の意識の問題として、失敗を恐れると委託に消極的になり、無難な施設を選択するなどの問題。等
社会的養護の現状について(参考資料)より(厚生労働省)
里親委託を推進する取り組み例
■広報・啓発
・区市町村や里親会との連携・協力
・里親子による体験発表会(里親の実情を知ってもらう)
・一日里親体験、里親希望者と施設児童との交流事業等
■実親の理解
・養子縁組を希望する里親のイメージが強い中で、養育里親の普及に努める。
・養育里親についての里親の意識。
・実親の理解が得やすいファミリーホームへの委託等
■里親の支援
・里親交流会で体験談を語り、コミュニケーションを深める。
・里親の孤立化を防止、訪問支援る。
・里親研修、養育技術の向上。
・地域との連携をつくり、里親に良い養育環境をつくる等
■実地体制、実地方針
・里親支援機関事業を外部に委託し、里親支援体制を充実
・里親会の強化
・里親担当職員の増員等
・里親委託のガイドラインの策定
・里親委託等推進委員会を設置し、関係機関・団体の間で里親委託に対する共通認識を持ち、委託推進の気運を高める
・相談ケースごとに里親委託の検討。施設入所児童の中から、委託可能な児童の掘り起こし等
社会的養護の現状について(参考資料)より(厚生労働省)
詳しい全文を読みたい方は、厚生労働省のHPより読むことができます。
社会的養護の現状について(参考資料)(PDF)
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